旅行三日目。
6時半に起床。昨日の疲れなどは特に残っておらず、快調。
昨日洗濯をしていなかったので朝食前に洗濯物を洗濯機に放り込んでおいた。
7時半ごろに朝食。納豆ご飯。生卵があったので納豆卵かけご飯。
今日はひんぎゃ弁当にしてもらうので、女将さんに何時ごろに出発するかを
訊かれたので9時半ごろにした。
外に出てみると今日の天気は曇りだが雨は降らないので良かった。
風がやや吹いており、太陽光もさえぎられるので、
長距離歩く予定の今日にはちょうどいい気候なのかもしれない。
9時半ごろに女将さんからひんぎゃ弁当のセットを受け取る。
籠の中に地熱釜に入れる干物、じゃがいも、ソーセージ、玉子などの他に
おにぎり二個をパックしてくれた。
また、干物の皮をむいて食べるためのビニール手袋とお手拭き、
ペットボトルを入れてくれた。
さて、青ヶ島二日目スタート。
半袖だとやや肌寒い感じだが、歩いていくうちにすぐにちょうど良い感じになった。
地蔵坂を登る。
清受寺のトイレに寄っておく。
天気が天気なので海岸線の方は見えない。
たまに車が通っていく。
分岐。左は大千代港への道となる。
大千代港は港に向かうまでの道が崩落したため、港は整備されたが使用されていない。
右手の流し坂方面に歩いていく。急カーブが多くなってきた。
平成流し坂トンネルに到着。
1992年(平成3年)に完成。
中はすぐにカーブになっており、出口は見えない。
そしてわかりやすい旧道分岐。
いきなりの超ヘアピンカーブである。
‥コレ4tトラックとか曲がれたのか?多分無理な気がする。
ハイエースでもきつそう。
現在は車両通行止めとなっている。
流し坂と呼ばれる旧道を下っていく。
廃道化の気配がやや感じられる。
急カーブの連続。
所々に苔が生えている。
踏み心地はまるで絨毯のよう。
やや生い茂ってきた。
車が通るには伐採が必要だろう。
落石も目立つ。
反対側の通行止め。下ってきた道を振り返っての撮影。
こちらはテープで仕切ってある。
現道に出た。現道に立って旧道分岐(左)を見ると
いきなりの急坂&急カーブというのがわかる。
ただ、伐採など整備さえすればすぐ通れるようになると思う。
現道を下っていく。
平地に出た。ここが池之沢と呼ばれる地区になる。
ちなみにあおがしま屋など集落のある場所を岡部と呼ぶが、
青ヶ島村には大字も小字も無いので、住所自体は全て「青ヶ島村無番地」となる。
すぐに池之沢自動車修理工場がある。
ちなみにあおがしま屋近くに「池之沢レンタカー」のロゴの入った軽自動車があった。
以前レンタカーをやっていたのか、それとも現在もやっているのかはわからない。
道の途中、何故かボートがあった。
わざわざここまで運んできたのだろうか。
島庁跡が途中にあるようなので行ってみることに。
途中の分岐を左へ。
写真ではわかりづらいが、この辺でもう地熱で湯気が出ていた。
しばらく道なりに歩いて行く。
当然というか、すれ違う車も人もない。
すると、ちょっとした広場があった。
そしてその反対側にも広場があり、恐らくここが島庁跡と思われる。
茂みに隠れてブランコもあった。
何故これだけ撤去されていないのかはわからない。
ちなみにブランコには宝くじ云々のロゴがあったので、
宝くじの売上金で設置されたものなのだろう。
それにしてもこんな場所に庁舎が本当にあったのだろうかと思ったが、
以前はこの池之沢地区、内輪山(丸山)の周辺に集落があったらしい。
ただ、噴火活動があったため現在の岡部地区に移ったようだ。
道端にはこの植物をよく見かけた。オオタニワタリというらしい。
葉先が丸まっているのが特徴的だった。
途中生活感のある場所に。建物付近にごみが散乱していた。
青ヶ島にやってきてからずっとだが、鳥の鳴き声が常に聴こえた。
また、通りかかったところでバタバタと飛び立つことも多い。
途中ニワトリが飼育されている小屋があった。
こちらに気が付くとわらわらと集まってきた。
やがて地熱の湯気が出ている場所までやってきた。
地面から湯気が出ているのが見える。
駐車場。
東屋がある。
地熱釜。湯気が出続けている。
下にレバーがあり、使用する際にはレバーを上にあげる。
ひんぎゃ料理の準備を始めることに。
まずは釜の中にある金網を取り出す。
金網の中にじゃがいも、干物、ウインナー、玉子などを入れた。
蓋をしてレバーを上にセットした。約一時間で蒸しあがるようだ。
準備を終えて一旦すぐそばの丘の上で休憩。
蒸しあがる時間までの間に、そばにある丸山遊歩道を散策することにした。
その前に近くにあるふれあいサウナのトイレに行くことに。
ドアを開けた途端にむわっとした熱い空気が流れてきた。
開いているのは夕方前くらいかららしい。
すると、昭和を感じさせるダイヤル式の公衆電話があった。
硬貨は10円玉のみで、緊急電話番号(110/119)などにはかけられない。
自販機もある。
こんな場所だが、値段は本土と変わらない値段だった。
缶ビールまで販売されている。
トイレに寄っておいた。
ちなみにサウナの隣にはひんぎゃの塩工場もあった。
丸山遊歩道に向かう。
写真ではわかりづらいが、脇のところからも湯気が出ていた。
農業用水の配水管がある。
昨日大凸部から丸山(内輪山)を眺めた時に見えた白い建物はこれだったようだ。
山道に。遊歩道は右手。
入口から登り始める。
すぐに分岐にやってきた。
お富士様と呼ばれる神社の方向(右)から行ってみることにした。
風が心地良い。
登ったり下ったりという感じだ。
やがてお富士様にお到着。
とにかく噴火を恐れていたことが伝わる。
海岸の小石をここまで奉納するのも大変そう。
そもそも青ヶ島の海岸って‥アクセスできるのか?
下っていく。
若干の茂みはあるが、それほど歩きづらくはない。
途中休憩所は二ヶ所ある。
ここからは平成流し坂トンネル及びさっき歩いてきた流し坂(旧道)が見える。
先へ。
ようやく下に下りてきた。歩き始めてから40分くらい。
地熱釜の方へ戻る。
レバーを下に戻して蓋を開けてみた。見事に蒸しあがっている。
とりあえず金網ごと東屋まで持っていく。
そして皿に盛りつけた。
じゃがいももウインナーもいい感じで柔らかくなっており、
ひんぎゃの塩を振りかけていただいた。美味しい。
玉子もちゃんとゆで卵になっている。いや、蒸し玉子かな?
女将さんがにぎってくれたおにぎりと一緒に美味しくいただきました (^^
しばらく休憩して、出発。
キャンプ場方面に下りていく。
畑とその隣にあるのは一軒家のようだった。
池之沢自動車工場向かいにあった工場地帯が見える。
キャンプ場へ。ここには水道(雨水)とトイレがあり、それぞれ綺麗だった。
ここがキャンプ場となっている。
キャンプ場を過ぎて更に先へ。
途中畑があり、人もいた。
絶えず鳥の鳴き声を聴きながら歩いて行く。
木に別の植物が巻き付いている。
分岐。左が次に向かう三宝港方面。
工場地帯のような場所に出た。
人の気配は無かったが、昨日大凸部から見ていた限りでは車がたまに走っていた。
ここでも地熱から湯気が出ている箇所があった。
右に続く通行止めの道はこの先の青宝トンネルの旧道。
かなり廃道化が進んでいるらしい。
分岐。直進が青宝トンネルへの道。
結構綺麗な道である。
やがて青宝トンネルが見えてきた。
港へと続く重要なトンネル。
1985年建設。505mと、まあまあ長い。
一台ダンプが通ったが、車幅いっぱいだった。
中に入ると常に風が吹き抜けていく。
一応軽自動車同士なら離合できそうな幅員である。
ちなみに待避所はあるのだが、気持ち少し広がっただけで
ほとんど待避所という感じではない。それだけ厳しい地形条件なのだろう。
最後はカーブで出口は見えない。
出口へ。
港側トンネル入口。
すぐ脇にある道は一見旧道かと思われるがそうではなく、
集落のある岡部地区に続いている都道の続き。
しかし、先に述べた通り崩落のため現在通行止めとなっている。
それにしてもいきなりの勾配&急カーブで、ミラーがほしいところだ。
下りも登りも怖すぎるw
旧三宝港待合所。現在は廃墟となっている。
風が強い。
漁船がいくつかある。
こんな所に漁船があるのは港に停泊ができないからだろう。
そしてこの漁船をどうやって海からここへ、もしくはその逆に運ぶか。
答えは吊り上げる、である。
漁船を吊り上げるとはなかなか壮大なことである。
ちなみにコレが稼働している間はメロディーが鳴るらしい。
あおがしま丸が接岸する三宝港。
その向かいに乗船券の発売所がある。
正式には「青ヶ島落石防護施設」となっている。
中に入ってみる。電気をつけてみた。
中は綺麗で、資料がいくつか展示されていた。
トイレも綺麗だった。
再び外へ。
三宝港のそばでは大規模な法面工事が行われており、今も工事関係者が何人かいた。
思わず圧倒されてしまう要塞のような法面。
一部ではモルタルが剥がれ落ちている箇所もあった。
青ヶ島はその厳しい地形条件から崩落には悩まされてきた。
先の岡部地区への崩落による通行止め、そして三宝港の反対側にある
大千代港への道の崩落。
こうした離島のインフラを整備・管理できるのも東京都ならではだろう。
上部の方を見てみると、岡部地区に続く都道236号線のガードレールが見える。
さっきのトンネル脇の道からグイッと曲がって登っていった先だろう。
港の方へ行ってみる。
波は結構荒い。
ちなみにここで二名の釣り人がいたが、朝起きた時に中継チャンネルで観た時から
釣りをしているようだった。
さて戻ることに。
ここからまた来た道を集落まで戻る。
途中トンネル内で車が二台すれ違った。
トンネルを抜けて、さっきの分岐をUターンして進む。
途中廃棄物の保管施設があった。
真ん中にあるスクーターはYAMAHAのビーノ。
また、盛り土に使うのか、土を保管している場所もあった。
ビニールハウスは池之沢地区で何ヶ所も見かけている。
午前中に集落を出発してから歩いている人とすれ違うことが全くない。
平成流し坂トンネル手前の法面箇所が色んな場所から見えるので、
それが何となく方向の目印にもなっていた。
そしてようやく流し坂を下りてきた場所まで戻ってきた。
しかしここから登りが続くのでやや疲れてきた (^^;
先ほど下りてきた流し坂旧道分岐(左)を通過。
現道も勾配が結構急な上、見通しの悪いカーブが続く。
センターラインが復活すると、ようやく平成流し坂トンネルに着いた。
トンネルの中はやはり風が吹き抜けていた。
最初は少し広めだが、中は途中で狭くなり、軽自動車同士でも離合は難しそうだ。
トンネルを抜ける。
その後も緩やかな上り坂を無心で歩き続けた。
やっと下り坂になった。すると途中でネコが横切った。
十一屋商店へ行ってみることに。
品揃えは割と充実していた。
パンも販売している。
離島ということもあり、納品には時間がかかるので
賞味期限の長いものが販売されていた。
すると店内にもネコがいた。
飼い猫のようだったが、店主曰く気分屋なので
しょっちゅうどこかに行っているらしい。
飲み物をいくつか買った。お土産は明日買おうと思う。
店を出て、またネコを見かけた。
塀の外側を起用に歩いている。
ようやくあおがしま屋に到着した。
早速風呂に入ってさっぱりした後、洗濯物を洗濯機に放り込む。
部屋に戻ってくつろぐが、身体が火照っている感じだった。
19時ごろに夕食。今日は島寿司も。
やや醤油の味が濃かったが美味しかった。大満足。
そして22時には就寝。
今日はメインだけあってたくさん歩いてやや疲れたがとても楽しかった。
ひんぎゃ料理を楽しむことができたし、池之沢地区もゆっくり歩くことができた。
要塞のような工事個所のある港も見ごたえがあった。
明日は午前中の天気が雨のようなので近場をまわろうと思うが、
現時点で予報が「暴風雨」となっている。
船はまず出ないのでは‥と明日八丈島に帰る観光の二人が心配していた。
暴風雨となるとヘリもどうなんだろうか。